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「無用の人は、無用の道を貫くべし」 [ペトログ・ストーキン]


 関川夏央 原作、谷口ジロー作画、『『坊ちゃん』 の時代』 からの引用で御座います。


「お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ」
http://blog.so-net.ne.jp/petrosmiki/2005-09-28


 基本的に、まぁざっくり言って。
 所謂表現者、創作家なんぞというものは、虚業なわけです。
 ウツロの街でありカラー迷路です。
 職業に貴賎無しなどといわれますが、貴賤だかキーセンだか僕ぁ知りませんが、虚実ってぇのはやっぱりあるワケです。
 もーの凄く簡単に言えば、「食い物手に入れるシゴト」 が、一番 “実”です。
 何故って喰わなきゃ死んじゃうからー。
 次あたりは、「食い物手に入れる手段を提供するシゴト」 でしょうか。
 んで、「食い物や、それを手に入れる情報を流通させるシゴト」 がその次くらい。
 ワカリヤスイくらいに、第一次産業から第三次産業という流れですな!
 トロピコ的には、建築事務所と運送屋はデフォルトですが、次は農場作らないと飢えてしぐ~、っていう事です。(プレイしていないとさっぱり分かりませんね!)

 ま、虚実のグラフを作って、実の位置、左端に農家とか漁師とか置いておきますと、多分虚の右端にあるのが、絵描きだとか音楽家だとか物書きだとかなんだとか。んー、株式投資家、なんてのも、ギャンブラーと同じ扱いでかなり右ですかしらね。

 もちと馬鹿馬鹿しくワカリヤスイ言い方をすれば、核戦争で地球文明が滅びたら、左端の実の位置の人は生存しやすいけれど、右端の虚の人は多分すぐに死ぬって事ですかしら。
 え? モヒカン兵士? まぁ彼らとて、食料生産者のおこぼれを奪ってかなきゃならんわけですからねぇ。

 まぁ、それはそれとして。
 多分。恐らく。というかまぁよっぽどのアレでなければ。

 物書きだ絵描きだなんていう事を生業にしている人たちの多くは、その事を ─── つまり、自分のシゴトが、本質的な意味で虚業であること ─── は、分かっている。
 そして虚業であるという現実は、やっぱ不安なわけです。
 ま、そらしょーがない。
 しょーがないけど、そっち選んでしまったんだから、そこそこには覚悟決めている。
 でも決めていても不安が消えるわけではない。
 よっぽど、異端としてメーター振り切っているわけでもなければ。

 で。
 その不安に心が折られてしまうと、著作権商売に邁進して、新たに何かを作ることより、作ったモノ出来合のモノでどれだけ利益の “かさ増し” をするか、って方に考えが向かってしまう。
 かつての自分を切り売りして、金で安心を買いたくなる。


 まー。のまのま関連で、ソウサク畑とは縁もゆかりもない人たちの多くまでが、口々に著作権だ商標だと、馴染みもなければ知りもしないし、実際どうでも良いと思っている言葉や概念を弄くり回して、アーでモねーコーでモねー、「さてこの概念をどう利用して、自分の理論の裏付けをするか、どう利益に結びつけるか」 としていたりするのがブームみたいですが。
 外野や商人はさておき、現場の方───、まぁ、コンテンツ産業? の、中、とか、底辺とか、いや、まぁ、底辺は僕ですが、それは別として、底辺の外とか。いや外に行ったら駄目ですな。とりあえず内側の。
 実際に著作物をツクッたりしてまぁなんとか生きておりますというか、がっぽり儲けてますというか、経済的には色々ありますがソレは別にして、クリエイターという括りに入る人たちの。
 そこからの視点が、もっと色んなところで提示されても良いんじゃないかなぁとかは、ちと思うかなぁ。みたいな事を。
 寝ぼけたアタマでぼーんやり考えているのです。
 企業、商売人のリクツと、消費者のリクツ (というか言い分、解釈) ばかりが連呼され、実際にモノ作っているクリエイターの事なんかそっちのけ、というよーな雰囲気が。
 なんだろうなぁというトコロ。

 とか。
 考えているハナから、週刊モーニング連載中の漫画、『ブラックジャックによろしく』 の中で、Web上に発表されていたブログのテキストを、許諾或いは引用表記無しにほぼ丸写しで使用するという、「E~~~!?」 っていうよーな事件があったりしていてビックリです。
 「企業は著作物の利益を尊重して貰うことは考えるが、他社の著作物を尊重することは考えていない」
 なンて事まで言われる始末。

 
 む、しまった。考えていたことと話がそれている。
 それた上に、軌道修正しにくい流れだから、もうここらで切り上げよう。(無責任)

 なんつうかさ。
 僕個人としては。
 商売人が他人のモノに敬意を払わないのは、ある意味しゃーねーなとは思うわけです。
 彼らは自分たちに利益をもたらす著作財産権にしか興味はなく、著作物という武器を使って金を奪い合う戦争をしているわけですから。
 僕らの著作権戦争です。(宮沢りえ主演の、な)
 しかし、ツクル側の、特に、ある程度以上にその世界でやってきて、成功を収めた立場の人間が、その商売人のリクツに乗っかって、自分の懐を肥やし、独占することにしか興味持てなくなってしまうって言うのは、ちょっとカナシイというか、ま、そういう感じにはなるわけです。
 肥やすなら、もっと広くい目線で、もっと多くの創作家の立場を考えて物事考えてやっていけるよーになってもらわないと。
 無用の道を死ぬまで貫けとまでは言わないですし、僕だってそんな道行けるほどの人間ではありませんが。

 っていう感じで終わり。
 終わりとかしているけれど、別に敬意がどうとかいう話したかったわけでもなかったというていたらく。


[余談]
 サイコドクターふぐり旅のサイトは昨日始めて知ったのですが、結構面白いです。
 でもふつうに面白いので、個人的にもっとイカレポンチ好きな僕としてはパンチには欠けますが。(シツレイなモノイイやね!)

坊ちゃんの時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人

坊ちゃんの時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人

  • 作者: 関川 夏央
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1987/06
  • メディア: 単行本


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petrosmiki

補足して言うと、元々18世紀まで物書きには
著作権ウンヌンなんて意識は無かったのだ。

それまで趣味で表現活動をしてた物書きに
権利意識をけしかけたのは出版社。
著者のお墨付きを得ることで独占的に利益
を得ることが目的だった。

それが行き過ぎた果てに、何だかおかしな
権利意識が高まってる。
著作権者がテメエの存在理由を真剣に
考えないから、いつの間にか出版社とかの
片棒を担がされちまってるコトに気付かない。

「のまネコ」に関してはまだあちこちで
ギャーギャー騒がれてるなぁ。

例えば著作権じゃないけど、コカコーラは
製法特許を申請してないからこそ
その作り方と味を半永久的に独占できる。

それと比べると「アスキーアート」は
製法が秘密にはなり得ない。
「オリジナル」と主張するのは自由だが
誰でもマネできるモノに
真の「オリジナリティ」まで認める必要性
があるのかについては疑問だ。
しょせん落書き程度のモノについてまで
リキみまくって声高になるのはいかがな
ものか?って点では同意見。
by petrosmiki (2005-10-13 02:00) 

へぼや

 印刷技術の発達で、出版事業が大規模化すると同時に、フランスの印刷屋が…みたいな記述を読んだ記憶が…む。ペトログでだっけかな? (アホ)

 まぁしかし、相変わらずというか、今回とみに、改めて読み返すと何を言いたいのかさっぱりなエントリー。
 ちょっと考えることが色々ごっちゃらして、全然まとまっておりませなんだわ。
 オリジナリティとは何か、とか、あとまぁのまのま絡みで、AAキャラクターというのは、何が成立した時点を指して、皆が 「誰かの著作物だ」 と行っているのかが分からないと言うことか。
 あと確かにご指摘の通り、AAってある意味では完全なオープンソースなんですわよね。
 絵と違って、積み重ねの修練とかも殆ど必要無く、技法は貼られているソレをコピーしてツールに落とせば全て解析できる。
 あとはセンスと根気だけ。
 それがまぁ、アスキーアート遊びの、手軽さでもありおもしろさでもあるンですが。
 けれども掲示板という限定的な場でのみ生きる、テキスト、文字記号の組み合わせ、という意味で言えば、どちらかというと良くできたレゴブロックアートに、モノとしては近いモノがあるんですわな。
 多分この辺りは、後でなんかまとまったら少し書く気がする尿。

 ただまぁ、彼ら反のまネコ派の人たちが拘っているのは、アスキーアートという遊びそのものでは無く、そこから出てきたキャラクター。そのキャラクターに対する思い入れや、或いはそれらに代表される、ネットコミュニティー内部への帰属意識、またそこに貢献できる自分という一種の自己実現的な快楽なんかであって、著作権とかオリジナリティとかを口にはするモノの、それらの意味を考えている人たちというのはそんなに多くはない、というのが、僕の印象です。
 自分の中の何かを、反のまネコ運動というムーヴメントに、仮託してオルのですな。
 所謂ネット右翼との類似性なんかも各所で指摘されて居るみたいですけど、まぁそういう感じですかねぇ。
 
by へぼや (2005-10-14 09:23) 

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